相続トラブルのご相談の中で多いのは,「故人の預貯金が他の相続人に使われてしまい困っている。」というものです。
故人と同居していたり,故人の預貯金を管理していた相続人が,無断で故人の預貯金をおろし,これを自分のために使ってしまったのではないかという相談が典型的なものです。
預貯金の使い込みが発覚した場合,どのようなことができるのか。
遺産である預貯金が,故人の生前に,相続人の1人によっておろされている場合,それが故人の意思に基づかずに勝手になされた場合,相続人は,預貯金をおろした人に対し,不当利得返還請求,不法行為に基づく損害賠償請求をすることが可能になります。
預貯金をおろした人に対し,故人の請求権を,相続人が相続するということになります。
預貯金の使い込みに対する返還請求の手続
相続人が,預貯金をおろした人に対して返還請求するにはどうしたらよいでしょうか。
まずは,預貯金をおろした人に対して説明を求め,その説明が正しいか否か,相続人のために使ったとの弁解があれば,それに沿う証拠があるか否かを確認することになります。
相手方が何らの説明をしない場合,もしくは,使途について,その弁解があいまいで合理性がない場合,不当利得返還請求権か,不法行為に基づく損害賠償請求権を行使することになります。
この場合,地方裁判所で争うことになります。
家庭裁判所の遺産分割の調停ではこの問題は扱わないことになっていますので,弁護士に依頼することがベターです。
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