【解決事例】内縁関係にある相手から6,544万円を相続できた事例

特別縁故者に対する相続財産の分与申立てにより,6544万円を取得した事案

 

2022年6月,A(1944年8月生の女性)は、2022年1月に内縁関係にあったB(1933年9月生のドイツ国籍の男性)が亡くなったが,Bには,「相当額の遺産がある」と相談に訪れた。Aは,Bと婚姻関係になく,Bは遺言書も作成していなかったが,特別縁故者の制度があるとの知識があった。

 

内縁関係について聞くと,Aは,1985年頃Bと知り合い,翌1986年頃から週3回,B宅に泊まるようになり,2010年頃からB宅で同棲を始めたとのことであった。ところが,住民票を取り寄せたところ,住民票上,AがB宅で一緒に生活していたのは2010年7月から2012年2月であった。その理由を聞くと,Bは水風呂を使っていたため,Aは冬季に水風呂では耐えられなかったとのことであった。それでも,2010年7月以降,AはB宅で,週4回~5回,泊りに行き,夫婦同然の生活をしていたとのことであった。

その他に,2013年6月以降のAがB宅の連帯保証人となった賃貸借契約書(Bと同じ住所地),AとBを夫婦と扱った家主からの礼状,Bは株式を売買していたことからAが記入した2018年度以降の確定申告書,枚数は少ないがAとBが写った写真,Bの医療費・B宅の片付け費・Bの葬儀費用・Bの永代供養費などの領収書などが有った。

また,Bは,1963年11月に来日し,静岡市内の大学でドイツ語講師をしていたが,1994年11月12日に定住者の資格を取得した後,1度も母国ドイツに戻っていないし,Aと暮らし始めてもドイツから電話・手紙はなく,BはAに対し「家族は居ない。一人だ」と話していたとのことであった。

 

このような事情があったため,2022年9月28日,Aは,静岡家庭裁判所に対し,相続財産管理人選任審判申立てを行い,同年12月6日,相続財産管理人が選任され,2023年5月27日,相続債権者受遺者への請求申出の催告の公告がなされた。

なお,この公告から2か月の期限内に,相続債権者受遺者の申出はなかった。

その後,相続人検索の公告がなされ,6月後の2024年1月の期限後,2024年2月,Aは,静岡家庭裁判所に対し,特別縁故者に対する相続財産分与の申立てをした。

そして,2024年5月,静岡家庭裁判所は「Aに対し,Bの別紙財産目録記載の相続財産から,相続財産清算人の報酬管理費用を控除した残余財産全部を分与する」との審判を出し,同年6月,相続財産清算人から6544万円の入金がなされた。

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