遺産分割協議とは?分割の種類やまとまらない場合の対処法について弁護士が解説

遺産分割協議の種類

相続人が複数いる場合、財産の分割協議が必要となります。遺産分割には、指定分割、協議分割、調停分割、審判分割の4通りがあります。

指定分割(民法908条)

被相続人の遺言によって具体的に指示されている場合に、それに則して遺産を分割します。

協議分割(民法907条)

共同相続人全員の協議により遺産を分割します。遺産分割は相続人全員の参加が必須条件であり、一部の相続人を排除した遺産分割協議は無効となります。

遺産分割が終了した場合、再度争いや揉め事が起こらないようにするために遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書には、相続人全員の署名・捺印が必要になります。

調停分割

分割協議が円滑に行われなった場合、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。調停において当事者間に合意が成立し、調停委員会によってそれが相当であると認められた場合に、これを調書に記載したときは調停が成立し、手続は終了します。

成立した調停調書は確定判決と同一の効力が生じます。調書で具体的給付義務が定められている場合には、将来執行の問題が生じないように、対象物を正確に特定した内容としてもらうことが必要です。

審判分割

家庭裁判所に審判を申し立てることができます。なお先に調停を申立てていたときは、調停不成立の場合には当然に審判手続に移行し、調停申立ての時に審判申立があったと見なされますので、改めて家庭裁判所に審判の申立をする必要はありません。

遺産分割の方法

遺産分割の方法には、現物分割、代償分割(代物分割)、換価分割の3つがあります。

現物分割

遺産を現物(建物・土地等)で分ける分割の中では最も多い一般的な方法です。例えば、家と土地は長男に、株式は妹に、預貯金は長女にといったように、個々の遺産について誰が取得するかを決めます。

代償分割

特定の相続人が分割することが困難または適さない自社株、自宅などを取得する際に、相続分以上の遺産を取得した相続人が他の相続人に代償として現金を支払うことをいいます。

代償分割を実施する場合に、代償として支払っている金銭の代わりに、自分自身の財産の中から株式・不動産・有価証券などの現物を他の相続人に譲渡することを代物分割といいます。なお譲渡益が生じてしまいますと、譲渡所得税が課税されるため、注意が必要です。

換価分割

遺産の全部または一部を売却して金銭化をし、その金銭を分割します。売却が困難な財産に関しましては換価分割を実施することはできません。

また、遺産を処分するといったケースの場合は処分費用がかかりますし、譲渡益が発生してしまう場合は譲渡取得税などを考慮する必要があります。

遺産分割がまとまらない場合の対処法

①遺産分割調停を申し立てる

当事者同士で話し合いをしても、遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。 遺産分割の調停は、相続人の一人あるいは何人かが、残る全員を相手方として申し立てます。

調停手続きは、分かりやすく言うと、調停委員という第三者が2名、当事者の話し合いの仲介に入ってくれる手続きです。当事者の出頭が原則として必要ですが、当事者は待合室も別々で、それぞれの主張も別々に聞いてもらえます。

月に1回、2時間程度開かれ、1回目はそれぞれの主張をし、2回目以降で、相続人の範囲や遺産の範囲などを確定して、争点を明確にし、双方歩み寄りができるか調整していくことになります。

遺産の額が多い場合には弁護士に依頼する方が、よりスムーズに解決できるものと思われます。

②遺産分割審判に移行する

調停においても当事者で合意することができなかった場合には、調停不成立となり、当然に審判に移行します。 審判においては、訴訟手続きに近い形で手続きが進行し、必要に応じて証人尋問なども行われます。

最終的には、家事審判官(裁判官)がさまざまな事情を考慮して、遺産分割の審判をします。

審判書の内容に関して、不服申し立てを行わない限り、審判にて遺産分割内容を強制的に決めることができます。

遺産分割協議を弁護士に依頼するメリット

①相続財産の調査について弁護士に一任することができる

相続人が誰で、相続するべき財産がどの程度あるのかという調査は、想像以上に手間がかかるものです。弁護士に相談すればこれらの調査を丸投げして任せることができます。

②相続人間でのやり取りに苦労しなくて済む

遺産分割にあたって、今まで疎遠だった親族や、関係性が良いとは言えない親族との連絡、やり取りが発生してしまいます。しかし弁護士はこれらの相続人とのやり取りについても皆様の代わりに行うことができます。

③万が一争いになった場合でもサポートしてくれる

遺産相続をきっかけに、親族間での争いになってしまうことは残念ながら少なくありません。もし争いになってしまった場合でも、早い段階から弁護士に相談をいただいていれば、紛争の対応についても今までの遺産分割の流れを踏まえたうえでスムーズに行うことができます。

相続が発生したらまずは弁護士にご相談ください

当事務所は遺産分割の相談について多くの実績がございます。初回相談は無料となっておりますので、遺産相続が発生したらぜひお気軽にご相談ください。

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